強さの調整 - 日本ピンパーム協会 中部事務局

♪ 強さ調整の実際。

 (これをテストカールと言います)

 普段見ることの出来ない所が見えるのって、おもしろいですよね!

 

ピンク印の動きを追うと、カールの毛先が巻き込まれていく様子が分かります。この動きでカールサイズは小さくなり、パーマは強くなって行くわけです。

このように動きの見える調整を‟順調なテスト”といい、この動きの中から目的に合った強さを判断するのが美容師の仕事となります。

 

こんなふうに強さの変化を順次見ることができれば、パーマの強さ調整は容易になり、目的のかかり具合を安定して求められるのです。その結果、大きなカール(弱いパーマ)も、小さなカール(強いパーマ)も自由に調整することが出来るようになり、豆知識で紹介するパーマのカールの求め方が完成するわけです。つまり求めるかかり具合を安定再現するのに、この動きは必須条件だということです。

 

では「この動きが見えないとどうなるのか… 」動きの見えない状態を、手応えのない(判断できない状態)テストと言い、ヤマ勘の調整といいます。この勘頼りの判断がかかり具合を不安定にするのですが、この状態が長く続くと不安定さに慣れて(普通)しまうのです。こうなるとロットを外すまで、どんなかかり具合になったのか分からない状態になるのです。(ロットを外す瞬間に不安を感じる状態)

 

困ったことですが、不安定な状態が普通になると不安に冷静さを失い、調整をすると言う自覚が消えてしまうのです。道具の変更も、この不安から生まれた問題の一つですが、何を用いても判断をするには動きが必要なため、動きの見えないテストカールでは、強さ、根元、傷み(基本調整)の調整は出来ないのです。

ところが、従来型のパーマにはこの調整のルールがないのです。

 ※テストカールの表情から、強さ以外に根元の動き方も確認できるのです。 

 

 ♪ 動きに簡単な説明を加えてみます。

 

  初回テスト(1015)   9分後テスト(1024)   ロットアウト(1044

毛先の動きとは別に、9分後(中央のカールの大きさ)のカールサイズが、初回テスト(左側のカール)のカールサイズより確実に小さくなっていますね!

つまり、時間とともにカールサイズの小さくなっていることが確認でき、順調にパーマの強くなっていることがわかります。このように強さの変化が確認できれば、前回より強くとか弱くすることも簡単に行えるます。

※9分後の動きを弱いと判断したため、再度5分間放置した強さがロットアウトの強さです。

※9分後のカールサイズと、ロットアウトのカールサイズはなぜ違うのか…

 

なお、このテストカールの動きはミリ単位と小さく、集中していないと見逃してしまいます。さらにこの小さな動きを9分前の記憶と比較しなければならない為、美容師の技量(動きを見極める能力)や経験値が問われる部分でもあります。

ですから他の仕事をしながら、ついでに確認するのはご法度(要集中力)です。

 

            (強さを決める条件)

 

実は、施術に問題があるとこの動きが見えず、勘による判断を強いられるようになります。こうなると強さの確認に不確実で曖昧な判断が入り込み易く、俗に言うかかり過ぎたグリグリのパーマや、逆に直ぐ取れるパーマの温床になってしまいます。悲しいことにどちらも傷みは増えるため、髪はバサバサになるのです。

  

 

♪ 動きの見えるテストは、応用調整でこんなかかり具合を可能にします。

 特大サイズのパーマのカール。
 特大サイズのパーマのカール。

ジックリ慌てずに強さの確認ができるため、まるでセットのような、特大のカールを作ることも可能になります。

         強さの段階的調整。
         強さの段階的調整。

動きの予測が出来ると、徐々にカールを弱くする調整も可能になり、パーマ同士のつながり感も自然になります。


クルっとした特大(左)のカールは、豆知識(パーマのカールのでき方)で説明する方法で求めたサイズです。この現象がパーマ理論とセット理論の違いを現し、太いロットで巻くパーマでは、この形状のカールを作り出すことはできません。

 

右側の強さの段階的調整(後姿)は、上部の強さを100とすると下部に向かって徐々に弱くする調整がしてあります。もちろんパーマの施術時間を短縮させるため、調整は同時進行で行い、ロットは一斉に外してパーマは終了します。

また、パーマをダイレクトに形にするには、かかり具合をセットに似せることが必要です。そんな雰囲気が、両ロットアウトから伝わるといいのですが…?!

なお、このような調整が可能にならないと、ハンドブローは得られないのです。

 

 

 こちらはピンパームのテストカールです。

ピンパームにも、ロットで巻いたパーマのテストと同じ動きが見られます。初回テストと2回目テスト(酸化直前)の動きから、明らかにカールサイズの縮小したことが確認でき、パーマの強くなったことが分かります。巻き方の違うピンパームにもロットと同じカールの動きが見えるのです。つまり、強さの調整にこの動きは共通の基本だということを現します。(内側の円が小さくなりましたね!)


なお、テストカールは、パーマの動きを見ることのできる唯一の場所のため、動きが見えないと強さ調整(味の確認しないまま出す料理と同じ扱い)はできません。

 

 

 この確認と判断が、美容師の仕事。

 (髪と薬品とロットの組合せはパズルです)

 

パーマをダイレクトスタイリングする条件の一つが、強さ調整の安定度です。

ただし安全性関連(パーマのかかり具合は、なぜ違うのか)で紹介するように、調整を不安定にする理由(不確定要素)があるため、これを安定化させるには、美容師の経験値と理論に裏付けられた事前(施術後では手遅れ)の判断が必要です。

その判断に必要な指針が「解かれていない理論」で、目に見える強さの調整は、この理論が具体的な手応えになったものです。

なお、各調整を自動的に行う道具はないため、美容師の判断は最重要です。

 

 

強さ調整の安定化は、目的の形を得るための最重要な条件です。これを実現するには、紹介した順調なテスト(動きの見えるテストカール)が必須で、これが得られると、強さの安定再現や目的に合わせた強さの変更が可能になります。

こんなテストを体得したい思われる方には、有料会員の登録をすすめます。

 

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